パスタ専門店の店舗デザイン

この店のクライアントはもともと料理好きが高じて、食品関係の企業に就職し、脱サラの後イタリアンレストランで店のオーナーになるための修行をし、このたび地元に出店することが実現したということでした。

店の立地としては、街の中心部からやや離れ、後方に住宅地を抱えた大都市のベットタウンとして今後もファミリー層を中心として人口の増加が見込まれている地域のテナントビルの一階に入居。
同フロアには4店舗が入居する予定であり、さらに上階はマンションとなっていました。

主な客層は上階にマンションがあること、住宅街がほど近いことなどから、地域ファミリー客を想定していました。さらに近隣企業のビジネスマンも取り込みたいとのこと。

業種の決定に際しては、最初にクライアントは食材の知識とイタリアンレストランで修行した経験をもとに、イタリア料理を中心とした本格的レストランとしての開業を希望していたのですが、そのための施設としては面積的に狭いこと、また、この地域にはない店を、ということを考慮した結果、メニュー構成を絞り込んでパスタ専門店ということに決定しました。

店作りのポイントとしては、地域の人に親しまれ、気軽に入れる店をということで、デザインのイメージを南イタリアの民家に求め、大らかさを強調することで意見が一致。
狭いスペースを効率的に生かすために、壁面に向けて1人掛け用のカウンター席を設置しました。
すくないながらも目的に合った客席、通路を確保することが出来ました。
また、「店頭入り口回りの通路と客席の間」、「壁面カウンターと電話の間」、「ハイテーブルカウンターのパントリー側」、「トイレ入口脇」のそれぞれにルーバー状或いはガラスなどでスクリーン(仕切り)を施し、居心地よい客席の確保と心理的安心感を与える効果を狙いました。
また、この店の場合は、クライアントが考えているプランが事前にしっかりと用意されていたため、そのプランを基本に、打ち合わせをすすめました。

<クライアントのプラン>
・ファミリー客が対象になり、また、客の増減を考慮しベンチ席を設け、店舗面積の狭さをカバーしたい
・厨房は面積に対して、最大限の広さを確保したい
・カウンター席を設置し、オープンキッチンにする

ということで限られた面積の中での効率性を追求し、サービス動線の充実と、ゆとりのある大らかな客席空間の構成を心掛け、以下の<デザイナーの掲示プラン>を作成しました。

<店舗デザイナーの提示プラン>
・カウンター席とパントリーが一体になっているクライアントのプランでは店内効率が非常に悪いと考えられたため、思い切ってカウンター席を廃止。WCを移動しそこにパントリーブースを設置。管理とサービス動線を整理した。
・店のイメージを南イタリアの民家に求め、素朴さの中にモダン感覚を取り入れた
・4人掛けのハイテーブルカウンターを店の中央に置き、この店のシンボルにする
・鮮度の高い魚介類のレシピを見せるための冷ケースを設置し、その上方はキッチンからの見通しを考え、はめ殺しの窓にする
・空調はカセットタイプにする

以上のことを踏まえてエクステリアやインテリア、家具、什器等のデザインをイメージスケッチやエスキースなどを交えクライアントとブレインストーミングを行い最終決定案、材料仕様、工事費概算を作成。平面図、断面図、天井伏図、厨房仕様機器、完成予想図等を作成していきました。